ハタハタ2014/12/22 21:45

 郷の姉からハタハタが届いた。

 尾と頭を落とし、味付けをしてフリーザーパックに何個も小分けにして
いつまでも貯蔵できるようにしてある。

 ハタハタは一年を通して日本近海の深海を回遊している魚で北日本沿岸に産卵のために集まる。産卵に適した水温が、丁度秋田辺りの沿岸を中心とした海域になるのだという。

 冬、北の海が荒れる頃になると「そろそろハタハタがあがる」・・・と
昔も今も変わらない男鹿の浜は祭りのような賑わいになる。

 私の生家は浜からは離れた内陸部にあったが、ハタハタの時期になると箱で買い、長い冬の間、来る日も来る日も串に刺し囲炉裏火で焼かれたハタハタが食卓に上がった。

 戦中戦後の貧しい暮らしのなかでハタハタは大事な蛋白源であった。

 深海の魚ゆえか ハタハタにはうろこがない。ぬめりがあり、棘が固く魚体も小さいので調理に手間がかかる。
 何処の家でも2箱も3箱も貯蔵用に作るのが女たちの仕事だった。

 今は流通も発達し、冷蔵庫もあり便利にはなっているが 調理は昔と変わらず 面倒だ。

 86歳の姉には負担だろうと送らなくていいからねと言っていたのに律儀な姉は今年も送ってきた。

 昔を思い出しながらハタハタを味わっている。