いつもの美容院で ― 2019/10/10 15:35
いつもの美容院に通い始めて二十年以上になる。
大通りから外れた静かな住宅地で奥さんが一人で切り盛りしている美容院だ。
客は年配の人が多い。
入った時前のお客が終わりそうな いいタイミングだった。
パーマと白髪染めをお願いした。
美容師さんは髪の状態を見て「まだ かけなくてもカットだけにしたら」とか「部分染めでもいいと思うけど」と助言してくださる。全てお任せ。
美容学校や住み込みの修業を積んだプロだからこそ豊かな人格を作り上げたのだろうけれどお話から しなやかな生き方が伝わって感心する 教わることも多い。
こちらの気持ちに沿ってくださるからついついあまえておしゃべりもする^^;;;;
(ビヨウインはストレス解消の意味ではビョウインともいえるなあ~)
とはいっても年は10歳以上も私が上だ。
美容師さんが自宅の方に消えたと思ったらお盆を持って戻ってきた。
「一緒に牛丼を食べましょう」
えッ!
「〇〇のや」の牛丼パックとお茶がお盆に乗っていた。
お客さんのこないうちに早くとせかされて慌てて一口牛丼を運んだのだが
あっ!と思った。ご主人はお仕事を終えられている。
「もしかして・・・ご主人の分を頂いたのでは?」
「ご心配なく。主人も食べています」
美容師さんは冷静に答えた。その言葉を信じるしかない。
冷たい飲み物やコーヒーなど頂いたことは何度もあるが牛丼には驚かされた。
因みに「〇〇のや」の牛丼は初めてだった。とてもおいしかった。
幸い、客は私が会計をする時に一人見えられた。
私は会計を終えて「ありがとうございました」とお礼をして
ちょっと間を置いて「あらためまして、もう一度ありがとうございました」と言って深くお辞儀をした。
お客様の前で「ごちそうさまでした」とは言えなかったから。
美容師さんが笑っておられたからきもちは伝わったと思うことにした。
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