お庭拝見2013/05/17 22:37

 《奥様手作りのお土産》

初めてのお宅を訪問した。

 前に記事にしたことがあるが、亡くなった姉に縁のある人がごく近いところに住んでいて、その方が我が家を訪ねてくれた時、花の季節に是非見に来てくださいとお誘いを受けていた。


 今日は青空、花を見せていただくにはお天気のいい日がいい。
電話で伺いを入れたらどうぞと言うことで出かけた。

 午後の外出もあったので、花と「エントランスギャラリー」を拝見したら
すぐお暇するつもりだった。
 私は親しくしてもらっている友人宅にも上がり込むことはほとんどない。

 地図を頼りに歩いて10分とかからないところだった。
初めてお目にかかる奥様にも強く勧められて上がってしまった^^;

 テーブルに着いたらおしゃべりが始まった、
花の事も玄関スペースをギャラリーとしているお二人の作品(書・水墨画・マクラメ他の手芸・などなど)お友達の作品を鑑賞することもしばし忘れてしまった^^;

 奥様は重度の聴覚障害を持っていて会話ができないという。
(55歳での難聴なので不自由も大変らしい)

 お二人は震災後沿岸部の被災地でボランティアを続けているのだ。
話に夢中で時間の経つのも忘れていた^^; ハッとして「お花を」と言ったら
被災地の皆さんに聞いていただいている歌を聴いてほしいという。

 「涙そうそう」 ご主人の幅のある豊かな歌声に合わせて奥様が手話で振付をされた。
 座って対話をされている時のほっそりとした綺麗な奥様が別人のように情感をたたえ、美しく舞った。そう、まるで舞台人のように哀切と希望を舞った。
 胸を打たれた。
 
 三番を歌い終わった奥さんのそばに行って手を握った。
舞踊を習った方かしらと聞いたら、習ってはいないが母親が吾妻流の先生だったそうだ。誉め言葉に奥様は主人の歌に想いが入っているからやり易いと言った。
 仮設住宅でも皆さん涙を流されるそうだ。そして振付を覚えたいともいう。

 奥様は主人は歌の後皆さんのお話を聴く奉仕をするが私は聞こえないので肩をもんであげたり手のマッサージをしたりすると言った。
 五つほどレパートリーを持っているがもっと増やしたいとも言った。

 庭であでやかに咲くボタンを見ていたら片隅のパセリを摘んでくださった。

 来し方のお話の中からは苦しみや悲しみもあったと伺えたが、豊かさとはこんな暮らしを言うのだろうなあと思った。

  初めての奥様とも心が通じ合ったと感じたのも嬉しかった。