遍路こぼれ話⑥・・・強さ2006/10/31 22:45

 
 飛行機のトラブルで翌日の仙台行きのチケットが取れない。
一行12名。安全に早く帰りたい思いは同じ。

 山形行きなら2枚あるというのでAさんが手を上げた。
皆、どうなることかと不安になったとき、仙台行きの午後の便にも空のあることがわかった。
 一人ずつ名乗ることになったらAさんが人をさえぎるように名前を連呼した。
 「勝手な人だなー」と思ったが言葉にすることは出来なかった。
Bさんが、Aさんを制した。
「貴女は山形行きを希望したのだから他の人が決まってからにして」と。
 勇気や、強さはこんな時にこそ発揮されるべきものなのだ。
Bさんを見ていてふがいない自分を恥じた。

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遍路こぼれ話⑤・・スナップ2006/10/31 22:51

 
 熱心に祈っている姿に心惹かれた。
何を祈っていたのだろうか。

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遍路こぼれ話④・・・Yさん2006/10/31 22:58

 一行の中で男性は二人。
Yさんとはバスで通路を挟んだお隣だったが道中ほとんど話をしなかった。
 添乗員のいないツアーだったので飛行機トラブルではYさんが先頭に立って皆を纏めてくれた。

 日頃、男女の性差には否定的な私だが女性は事に当たった時「守る」習性が強いのか周りを考えるゆとりがない。Yさんは全体のために交渉に当たり、自分のことはいつも最期にしていた。
 男と女の違いを感じたのは偏見だろうか。

 思い返したら、Yさんはバスを降りるときも必ず私を先に通してくれたっけ。
Yさんのお陰で無事帰宅できた。ありがとう。

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遍路こぼれ話③・・・お接待2006/10/31 23:06

 《木立の中を》

 四国遍路には「お接待」の慣わしがある。
ツアーのバスの中でも飴玉とかささやかな振る舞いが通例になっている。
バスが道の駅に休憩した時、美味しそうな草もちが売られていた。
一人に百円では一寸気張りすぎかなーと眺めていたら、
Sさんが近づいて「おいしそうね。お接待?」
「そう」
「二人でしましょうよ」と言われ喜んで1400円を割り勘にした。

 さて、バスに乗ってSさんは皆に草もちを配り始めたのだが私の名前はついぞいわなかった。
 エ~ッ?私の気持ちは何処へいっちゃうの~遍路の身ながら心穏やかでない。
 お礼の言葉はなくても皆さんが美味しいと食べているのだからと自分に言い聞かせてもおさまらない^^;;;

 結局あらためてお接待をすることでようやく平静になれた^^。

 己が心の狭さよ。


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遍路こぼれ話②・・・あじさい2006/10/31 23:13

 雲辺寺境内に咲いていた紫陽花である。
この季節としては珍しい。
白く輝くようだった。

 四国ではバスの中からセイタカアワダチソウの黄色が目立った。
 外来種の泡立ち草はススキを淘汰するのではと心配されたがススキの頑張りで共生できるようになったとどこかで読んだことがある。
 こちらの地方ではたしかにススキが頑張っていると見えるのだが四国では圧倒的に泡立ち草が繁茂していた。
 季節のずれだけのことなのだろうか。

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遍路こぼれ話①・・・いびき2006/10/31 23:20

 《高野山》

いびきは自覚症状がなくて人に言われて始めて知ることになる。
自分がどんないびきをして他人にどれほどの迷惑をかけているのかわからないだけに気になるものだ。

 私もいびきをするらしいが、夫には一度も言われたことがない。
 友達と旅に出ると「いびきというより寝息よ」と言われてもそれが慰めなのか真実なのかも確かめようがない。

 この度は初対面の人と相部屋で七泊、寝る前に皆さんにお断りをする。
 同じくいびきのカミングアウトをした人がいて、同病何とやら・・ではないがホッとしたのだが、なんとその人はこの旅行のためにいびき防止のマウスピースを作ってきたのだった。

 異物を口に含んでの就眠はさぞかし難儀なことだったろう。
因みにマウスピースの値段は保険対象外で4万円だったそうだ、高いエチケット代ですね~^^.

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