『 ン サ フ ト ガ リ ア 』2013/02/22 13:59

《今日の空 風あり》

 昨日はボラの日で前日から心構えをしていたのに、朝いつものように起きたら鼻水が・・・^^;; 
 8時半まで様子を見ていたが収まる気配がない。
咳も熱も頭痛もないが、抵抗力の弱い人相手のボラなので休むことにした。

 もともとが怠け者で安静(?)も苦にならず一日テレビを見て過ごした。

 BS「ありがたうさん」を観た。
清水宏監督昭和11年の映画である。

 若いころ映画好きを自負していたのに清水監督の名前も映画名も知らなかった。
 映画は右書のタイトルから始まる。

 物語は天城峠を超えて駅までの乗り合いバスの車中。

 身売りする娘と駅まで送る老母を中心にいろいろなエピソードを織り込みながら進んでいく。
 画面を観ている私も天城の自然の中 くねった細い山道をゆられていく。
 タイトルの「ありがたうさん」は27歳の上原謙が演じる運手のこと。 
バスが走る前方に子供や、旅芸人や、荷馬車などが道を開けてバスを通す。
 それにこたえて運転手は「ありがとう~~」と手をあげるのである。
「ありがとう~~」の調子が何とも温かい。全編を通してこの声が何度となく聞かれる。

 全体にユーモアがあり、のんびりした雰囲気なのに、身売りや朝鮮の女労務者や庶民の貧しさなどが下地にあって不条理を声高に言うわけでもないのにシッカリ伝わってくる。

 自分が生まれる前の映画なのにしっくりと心にしみる映画だった。
 せりふ回しが今の俳優さんとは違い、ゆっくりと絵本でも繰っているような気持ちになった。

 観終わって検索した。
清水監督、33歳時の作品、原作は川端康成氏が20代に書きためた「掌の小説」の中の一編(ありがとう)。わずか4ページの短編を映画にふくらませた。
 結末は違うらしい。


 昨日の安静が効いて、今日は鼻も異常なし^^。ありがとう~~^^。

コメント

_ 釈千手と申します ― 2013/02/23 05:46

川端康成は好きですが、この話は記憶にありませんでした。さっそく読み返してみます。映画も是非探して見たいと思います。
教えていただきありがとさん!

_ e-ばあ ― 2013/02/23 11:18

釈千手さま
ようこそ、ありがとうございます。

検索しまして@@!!かたじけないような気持ち^^;;;

これもネットの不思議なのでしょうか。

「お気に入り」に入れました。
一層のご活躍お祈りいたします。

_ ako ― 2013/02/23 13:37

「ンサフトガリア」
ありがと~~~う、今回でなく前に観ました。
いやにのんびりした映画だったけど最後まで観てしまいました。
昔の白黒映画って好きです。
上原謙が面影なく、あの上原謙と重ならず、ほんとう!と思いましたけど。

_ e-ばあ ― 2013/02/24 10:30

akoさん
コメントをありがとう。
画面を見ながら なぜだか、ジェルソミーナの『道』を思い出していました。
白黒の世界だったからでしょうか。

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