粗食のお陰2017/12/05 18:26

  ○さんが奥の虫歯が欠けて歯医者に行きたいが
以前お世話になった医院にすっかりご無沙汰なので行きづらい。
貴方の歯医者さんはどんな感じというので 良いお医者さんだよと答えた。

 数日後 ○さんから電話があった。
 歯科医院に行ったら先生もスタッフの雰囲気もとてもよかったと
弾んだ声だった。

 ○さんは歯を診察した先生に綺麗な歯だと褒められたそうだ。

 彼女は76歳だが奥歯に一本治療済みの虫歯があるだけで
一本も歯が欠けていない。

 自分ではこの度 欠け落ちたのは虫歯の結果と思っていたが
虫歯になってはいないと言われたそうだ。

 「初診カードの紹介者に貴方の名前を書いたよ」という。

 あらら・・・^^;;;

私は彼女の反対で人前で口も開けられないほどのボロボロ歯で
医院に行くたびに小さくなっている。

 ○さんとお魚を食べると小骨は全部食べ、食事の後の
お皿にきれいな標本のような背骨だけが残る。

 歯の綺麗さが羨ましくて「いいなあ」というと
子供の頃の粗食のお陰だという。

 彼女の実家は旧家で屋敷も広く蔵も離れも池もあったらしい。
戦争が終わるころ東京に住んでいた父の兄弟たち三家族が
子供連れで疎開してきた。

 離れと二階がお客様の住まいとなり、義理に当たる母親はお客様の
炊事に忙殺された。
 
 その頃は厳しいおばあさん(お姑)も健在で末っ子の○さんは母親の難儀を見て育った。

 お客には美味しい処を。お魚は頭と尻尾しか食べたことがなかった。
 賢い母親は硬い骨は焼いておやつにしてくれた。

 戦争が終わってからも三年ほどお客は滞在した。

 こんなわけで○さんは歯科医も驚く綺麗な歯を持っているのだという。

 私には「粗食のお陰」というより「母の愛のお陰」のように思える。

 「魚の頭は美味しいのよ。殊に目玉の辺りなど・・・
eさんに、分かるかな? アハハ」

 もう一つ ○さんは一本も白髪のない艶艶の頭髪を持っている。
 こちらも粗食のお陰かな。どちらも羨ましい。

コメント

_ たらのめめ ― 2017/12/08 16:38

本当のお話ですよね!と念を押したくなる程うらやましい○さま
ボロボロの歯に白髪いっぱいのわたくしは何なんでしょう
世の中にはそういう素敵な方もいらっしゃるのですね。

_ e-ばあ ― 2017/12/09 18:50

たらのめさん
コメントをありがとうございます。

○さんが指定の日に医院に再訪したら
先生が「立派な歯」と又感心して80歳までこのままを
維持しましょうと歯ブラシの使い方など丁寧に教えてくださったそうです。
治療はナシ。4か月後メンテナンス。

次に訂正^^;;;
いつも艶艶真っ黒の髪と拝見していたのですが
改めて本人に確かめたら中に白髪は存在するそうです。
 
 が、これまでヘヤマネキュアや白髪染めは一度もしたことがないということです。

 私は歯にも髪にも恵まれていませんので本当に羨ましいです。

たらのめめさん
 お忙しいのでしょうか。
 ブログ楽しみにしております

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